RubyWorld Conference 2023 開催趣意書

RubyWorld Conferenceへようこそ。ようやくコロナの影響から脱しつつある今日この頃ですが、今年も例年通り松江の地でRubyWorld Conferenceが開催できそうです。ハイブリッド開催が続きましたが、今年はぜひ松江まで足を運んでいただきたいです。直接交流することによって、Rubyコミュニティの「今」を実感することができることでしょう。また、直接対話によって生まれるインスピレーションがRubyの明日に良い影響を与えることと信じています。

今年はRubyが誕生してから30年となる記念の年です。30年の間にさまざまなことがあり、開発当初には想定しなかった範囲まで広がっています。新しもの好きの技術コミュニティには物足りないと感じられるかもしれませんが、Rubyには信頼と安定に裏付けられた実績があり、今や世界中で利用され、欠かせないいくつものサービスの運用を担っています。今日、あなたが利用したサービスもRubyで実装されているものがあるかもしれません。

しかし、一方でRubyの進歩は継続中です。そういう意味ではRubyは今でも「安定」とか「停滞」とは無縁です。Rubyコアコミュニティの活動を追いかけていると、今でも毎日大量の更新がRubyに対して行われていること、そして、Rubyの未来をさらによいものとするために日々提案と改善が行われていることが分かるでしょう。Rubyは決して「死んで」いないのです。そして、Rubyを取り巻くコミュニティも健在です。

今年は、長らくRubyとRailsを支えるコミュニティを支援してこられた江森真由美さんに基調講演をお願いしています。Rubyの魅力の源泉であるコミュニティについて語ってくださるのではないでしょうか。

Rubyのエコシステムを俯瞰する本カンファレンスでは、Rubyコミュニティが未来にどのように立ち向かっているかを感じられる発表を見ることができると思います。未来が来るのをただ待っているだけではなく、自ら作り出そうとするRubyコミュニティの活動をご覧ください。そして、私たちと一緒に未来を作ろうではありませんか。

RubyWorld Conference 開催実行委員会
委員長 まつもと ゆきひろ

過去の開催趣意書